
私は日本全国に不動産物件を保有しているのですが、札幌にも物件があり、2018年9月6日に発生した「北海道胆振東部地震」で所有する物件が被害にあいました。管理会社から送られてきた写真を見ると、物件には相当な被害が出ていたので、「地震保険」の申請を行いました。
実際の保険会社とのやり取りは「火災保険」申請で実績があった管理会社にお任せし、保険会社鑑定に立ち会いましたが、結果は「一部損」認定で保険金が250万円支払われました。立ち合いの際に物件の状況も確認しましたが、修繕には足場を組む必要があり、どう考えても1,000万円は必要になりそうです。
困っていたところ「地震保険代理申請」を知り、業者にお願いしたところ、見事鑑定結果が覆り「小半損」に。追加で保険金が1,250万円支払われ、合計で1,500万円の保険金を手にすることができました。ここではこの体験談を紹介していきたいと思います。
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所有物件が「北海道胆振東部地震」の被害に
2018年9月6日(木)未明に「北海道胆振東部地震」が発生した時、私は東京在住だったので、直後はニュースでしか情報を取ることができませんでした。物件は札幌市内だったので震源地直撃ではないものの、震度6であり主要道路が陥没・亀裂が入っていました。管理会社の社員も出勤できる状況ではないと思ったので、物件のことが気になったものの、とりあえずは連絡が来ることを待つことにしました。
管理会社から連絡がきたのは9月10日(月)の夕方。物件の写真も送ってもらいましたが、建物に相当な被害が出ていました。以下はその時送ってもらった写真の一部です。建物の構造は重量鉄骨(S造)となります。
「地震保険」の申請
私がこの札幌の物件を購入してから約3年半が経過していました。「地震保険」に加入していることは覚えていたものの、契約したのは3年半前であり、まさか使うとは思っていなかったので、詳細な内容までは覚えていませんでした。保険証券を確認したところ、「地震保険」の最大である5,000万円付保されていることを確認して、とりあえずは安心しました。
保険会社への事故連絡は管理会社が行ってくれるとのことだったので、保険証券のコピーを管理会社に送付し、鑑定日の確定をお願いしました。それなりの規模の地震であったため、保険会社も「地震保険」の鑑定対応に追われており、なかなか日程が決まりませんでしたが、10月9日(火)に鑑定が行われることが決定。
私もはじめての経験であり、物件の状況を確認したかったのと、しっかりと鑑定プロセスを見たいと思ったので、立ち合いすることにしました。
管理会社に他の物件の対応状況を聞いたところ、既に3物件の鑑定が終了しており全て「一部損」認定。他にも知り合いがいる不動産会社に確認しましたが、「一部損」は出ているものの、「小半損」認定されている物件はないとの情報でした。
鑑定立会から「一部損認定」
10月9日(火)鑑定日当日、東京から札幌入りして時刻通りに物件に到着しました。鑑定人は保険会社から業務委託を受けた大阪の会社の人で、地震直後から出張で対応しているとのことでした。
鑑定人と一緒に物件の状況を確認して周り、場所によっては被害が深刻ではあるものの、「一部損」認定はできても「小半損」認定の基準となる主要構造部の損害20%以上は難しそうとのコメント。事前に他物件の状況を確認しており、現実的には「一部損」かなと思っていたので、鑑定人の判断は妥当かなと思いました。それでも修繕費用には全く足りないことは明かであることを話すと、鑑定人も非常に良い方でその後も物件の視察を続けて、損害率を増やせないか検討してもらえることになりました。
ただ後から思えばいくら感情的に訴えたとしても、鑑定人は保険会社から業務委託を受けているので、専門的な知識を持って論理的に説明していかないと意味がありません。もちろんそんな知識も経験もないので、鑑定人の善意を信じて待つしかありませんでした。
その日の夜鑑定人から電話があり、損害は13%程度であり「一部損」認定になるとの連絡が入りました。そして10月16日(火)に保険金2.5百万円が振り込まれました。以下は保険会社から送られてきた保険金支払いのご案内です。
「地震保険代理申請」業者へ依頼
鑑定が終わった直後、知り合いの不動産投資家がTwitterで完全成功報酬の「地震保険代理申請」を行い、「火災保険」で保険求償したことをツイートしているのを思い出しました。私もなんとなくは「地震保険代理申請」については知っていたものの、報酬が高いのと、自分でやっても業者にお願いしても「一部損」認定にしかならないと思っていたので、まずは自分でトライしてみることにしました。
結果は予想通り「一部損」認定だったのですが、その後の大規模修繕にかかる費用を考えると、やはり何とか「小半損」認定を目指して再挑戦したいと思い、「地震保険代理申請」業者に依頼することにしました。知り合いに紹介をお願いするのと、自分でもインターネットで探して見積もりを取得してみました。
業者を選定するにあたってまず重要なのは報酬です。インターネットで探した2社から見積もりを取ると、完全成功報酬で40%(税抜)と50%(税抜)という内容でした。50%の方の業者は断って、40%の方の業者とやりとりを続けますが、他からも見積もりを取得していることを伝えると、それだと引き受けられないというスタンスであったため、一旦やり取りを停止。同時に知り合いから紹介してもらった業者は35%(税抜)と最安、かつ知り合いも使った実績があって安心感があり、やりとりした感じの雰囲気も問題なかったので、そこにお願いすることにしました。
物件のデータを提出し簡単なヒヤリングを行い、業者からの結果を待つと、物件視察を行いたいとのことだったので、契約書の締結を行いました。「地震保険代理申請」の具体的な流れについては以下の記事にまとめていますので、そちらも参照してください。
「物件視察」から「地震保険」再鑑定依頼
業者の物件視察は2018年12月中旬に行われました。特に物件に行く用事もなかったので立ち合いはせずに全て業者にお任せ。物件を見た後に連絡があり、「小半損」認定にできる可能性があるので、保険会社に再度鑑定依頼を行ってほしいと言われ、指示されるがままに保険会社に電話しました。この時のポイントは1回目の鑑定結果に納得していないため、違う鑑定人に再調査を依頼したい、というところです。
保険会社の鑑定も混みあっており、最短で2019年1月中旬以降とのことだったので、業者から電話するので日程を調整して欲しいと伝え、業者と保険会社の間で再鑑定日は2019年1月中旬に決定。
その間業者からは物件の図面が欲しいと言われたので、購入時のファイルから図面をコピーして送付しました。
大規模修繕の見積もり
「地震保険」の再鑑定が決まったころ、管理会社にお願いしていた大規模修繕の見積もりが届きました。その金額はなんと12,850,000円。「一部損」の保険金2,500,000円じゃ到底足りない金額です。
今後相見積もりを取れば多少は安くなるかもしれませんが、1千万円単位の修繕費用が発生することがわかり、後は祈るように再鑑定の結果を待つことしかできませんでした。以下は大規模修繕の見積もりです。
「地震保険」再鑑定から「小半損」認定
年が明けて2019年1月中旬に「地震保険」の再鑑定が行われました。私は特に立ち合いはせずに、「地震保険代理申請」業者に任せることにしました。再鑑定が終わった後、業者から報告を受けると、「小半損」認定になるかもしれないが、ならなかったとしても再度鑑定を依頼すべきと言われました。立ち合い時には1つ1つの損害の程度をより重いものと認定してもらえるように、確認していったそうです。当然物件の全てを見ることができないため、見える範囲で損害が重いと判断されれば、物件全体としての損害率も上がることになります。
そして再鑑定から数日後、保険会社が依頼した鑑定人から電話連絡が入ります。この時の電話は緊張したことを覚えていますが、結果は無事「小半損」認定に覆ったとのことでした。業者にも結果の伝達を御礼の電話をし、1月29日に「一部損」で支払い済みとの差額、12.5百万円が保険会社から支払われました。以下は保険会社から送られてきた保険金支払いのご案内です。
「地震保険代理申請」成功報酬
「地震保険代理申請」業者から成功報酬の請求書が届きます。今回は「一部損」から「小半損」になったことで支払われた保険金12.5百万円の35%(税抜)で4,725,000円(税込)。正直高くて払いたくないとも思いましたが、業者にお願いしていなければ絶対に受け取ることができなかった保険金であり、その価値に見合う仕事をして頂いたので、請求書通り支払いをして、「地震保険代理申請」は希望通りの結果を得て終了となりました。
最終的に私の手元に残ったのは10,275,000円。保険金は非課税であるという点も非常に大きいです。この金額では大規模修繕の全てをまかなうことはできないかもしれませんが、そのほとんどを賄うことができます。雪解けを待って大規模修繕を行う予定です。
以下は業者からの請求書です。
まとめ
以上が「地震保険代理申請」の体験談です。私の物件のエリア的にも「小半損」認定を受けている物件は他に聞いたことが無く、業者の力なくしては保険金を受け取ることは不可能でした。
業者はブラックなことをしているわけではなく、保険会社を相手にしているためプロの目線で対応し、最善の結果を引き出すことをサポートしてくれます。私が使った業者は実績もあり、信頼のできる業者で、成功報酬の水準も業界最安値となっています。もし紹介をご希望であれば、お問合せからご連絡頂ければ紹介すること可能です。
完全成功報酬で保険金が支払われない限り一切費用は発生しない点も安心です。何かあれば私もサポートしますので、お困りのことがあればお気軽にご連絡ください。
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