
「地震保険」の損害認定は「全損(保険金額の100%)」「大半損(同60%)」「小半損(同30%)」「一部損(同5%)」の4種類しかありません。そのため実際にかかった修繕費用を保険金ではまかなえない可能性もありますし、逆に修繕費用以上に保険金がもらえる可能性もあります。
ここでは「地震保険」の損害認定と保険金額、「火災保険」との違いについてみていきたいと思います。
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「地震保険」の損害認定方法
「地震保険」は「火災保険」では補償されない、地震に起因した建物の崩壊、火災・津波などの損害を補償します。「地震保険」の4段階の損害認定と保険金額については以下をご覧ください。
引用:三井住友海上保険
損害認定では基本的に主要構造部(詳細後述)の損害で判断することとなります。50%以上であれば「全損」、40%以上50%未満であれば「大半損」、20%以上40%未満であれば「小半損」、3%以上20%未満であれば「一部損」となり、「一部損」に満たない場合には保険金は支払われません。
主要構造部は建物の構造によって変わってきます。詳細は以下を参照してください。
引用:三井住友海上保険
「地震保険」の保険金額と注意点
「地震保険」の保険金額は以下の通りです。保険金額と主要構造部の損害を比較して頂くと、「全損」と「大半損」は保険金額の方が大きく、「小半損」と「一部損」は保険金額の方が小さくなっています。これは何を意味するかというと「全損」と「大半損」は実損以上の保険金額が、「小半損」と「一部損」は実損以下の保険金額しか支払われないということです。
引用:三井住友海上保険
そして注意しなければいけないのは、主要構造部の損害と修繕費用は必ずしも比例しない点です。なぜなら、外壁を修繕する際には足場などが必要となってしまい、足場を組むのには一定の費用が必要になるからです。「一部損」認定の物件の修繕も「小半損」認定の物件の修繕も足場の費用は同じになる可能性があります。
また「地震保険」で「全損」「大半損」認定されることはきわめてまれであり、ほとんどのケースは0判定か「一部損」、そして少数の「小半損」認定となります。このことを考えると、「地震保険」の保険金で大規模修繕の費用をまかなうことはほぼ不可能と考えたほうが良いでしょう。
「地震保険」と「火災保険」の違い
「地震保険」と「火災保険」の保険金支払いは大きく異なります。「地震保険」はこれまで見てきたように4段階の損害認定に応じて保険金が支払われ、実際の修繕にかかった費用は関係ありません。
一方で「火災保険」は実際にかかった費用に対して保険金を支払う形となります。そのため「火災保険」の求償を行う際には、保険会社に対して修繕の見積もりを提出する必要があります。
また「地震保険」は「火災保険」の特約的な位置づけで単独で加入することはできず、必ず「火災保険」とセットになります。付保できる保険金額も「火災保険」の50%、かつ最大で建物は5,000万円となっています。「火災保険」の保険金額に上限はありません。
「地震保険」申請には専門知識が必要
「地震保険」で修繕の費用をまかなうためには、当然ですが少しでも多くの保険金を受け取る必要があります。損害の認定は保険会社の鑑定人が行いますが、知識も経験もない不動産オーナーがプロの鑑定人に対して意見をし、正当に判定をしてもらうというのは難しいです。
私は実際に「地震保険」の鑑定に立ち合いしましたが、大規模修繕に1,000万円以上の費用が発生するにも関わらず、「一部損」認定で支払われた保険金は250万円。素人が対応できるものではないと判断し、こちらもプロに対応してもらおうと考え、「地震保険代理申請」の業者に依頼しました。そして再鑑定の結果、「小半損」認定となり1,500万円の保険金が支払われました。そのあたりの体験談は以下の記事に纏めていますので、参照してください。
「地震保険代理申請」とは?
「地震保険代理申請」とは、不動産オーナーに変わってプロの立場から「地震保険」の申請を行うことです。不動産オーナーにとって不利な鑑定結果とならないように対応してくれます。
私が起用した「地震保険代理申請」業者は完全成功報酬制で、保険金の支払いが無ければ費用は一切かかりません。また保険会社の鑑定人の立ち合い対応も行ってくれますので、手間はかからず、遠方物件のオーナーでも問題ありません。
実際に私が起用した「地震保険代理申請」業者の紹介がご希望であれば、お気軽にお問合せください。報酬は保険金額の35%(税別)と安くはありませんが、もともともらうことができなかった保険金と考えれば、利用する価値は十分にあります。完全成功報酬制というのも、依頼しやすいです。
まとめ
「地震保険」の損害認定・保険金額についてみてきましたが、基本的には「地震保険」の保険金で修繕費用をまかなうことができません。そのため少しでも多くの保険金額を受け取ることが重要となりますが、知識も経験もない中では保険会社にとって有利は認定をされることがあり、「地震保険代理申請」業者のようなプロの力はとても重要です。
「地震保険」の申請にお困りの不動産オーナーの方がいれば、お気軽にお問合せください。
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